5








Cコート、試合終了





「128対100で勝者、桐皇学園高校!礼!!!」





スパンッと竹刀が振り落とされる。
審判を務めた陽泉高校監督、荒木雅子は両校のオフェンス力に改めて驚きを感じていた。

超攻撃型のチームがぶつかると点の取り合い、技の応酬だ。
練習試合だからといってもそれは変わりない。



(……128対100か…。)


桐皇の絶対的エース青峰の序盤からの攻めに、誠凛はやはり苦戦を強いられた。

誠凛の敗因は2つ。
桐皇相手には黒子のミスディレクションが効かないということ。
そして木吉の足。




(……やはり青峰レベルの選手を止めるとなると、紫原のような鉄壁のディフェンスが必要だ。黒子のミスディレクションが効かないこの試合は桐皇の勝利が妥当だろうな…)



化け物じみた選手は自チームにもいる。
いるが、それでも青峰に対しそれが100%通用するのだろうかと不安に思わざるを得ない。

荒木は心の中で紫原の練習メニューを1.5倍にして次回IHの対策を練ろうと考えていた。







「っくそ…やっぱり強いな…」
「ちょっと身体鈍ってもうてたけど、……まぁ借りは返せたかなぁ誠凛サン?」




身体が鈍っていたなんてよく言うよ、と言いた気に伊月と日向は今吉を見た。

流れを持っていきたい…持っていける、そのタイミングを尽く潰してきたのはアンタだろうが、と日向は心の中でツッコんでいた。

今吉とマッチアップした伊月は、やはり出来ることなら避けたいくらい心底嫌な相手だと痛感していた。
正直実力差のハッキリしている葉山以上にやりにくい相手だったのだ。
どれだけ先を読んでも、その裏をついてこられるような感じ。
心理戦では到底かなわない、と思う程であった。





「は〜…いや〜しっかし疲れたわ〜。青峰、お疲れさん。」
「…チッ。」
「なんや、その顔。快勝した割に悔しそうやんけ。」
「別に何でもねーよ。つか良、アレ持ってきてんだろうなァ?」
「えっ?!あ、持ってきてますっ…すみません!!」





そういって青峰の前に差し出された桜井特製のレモンのハチミツ浸け。
フタを空けると甘酸っぱい香りが広がり、途端にその周りに人が集まった。







[ 199/217 ]

[*prev] [next#]
[戻る]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -