そんなわけで、バスケしてます。





















Bコート、審判を務める桃井は驚愕の思いで笛を吹いた。

コートに響く笛の音と、リングに触れることなく華麗に決まったシュートボールがトントントン…と地面に転がるのは同時。
黄瀬の口角がニヤリと上がった。





「ば、バスケットカウントワンスロー…!!!」





桃井の声に森山と早川が「よっしゃー!」とガッツポーズをする一方で、ファウルを取られた葉山が唖然とした表情で立ち尽くしていた。
ファウルを取られたことにショックを受けたわけではない。
その取られ方が問題だった。





「…そんなことって…」




声の主は葉山ではなかった。
葉山以上に唖然とし、黄瀬を凝視した人物は、思わず「信じられない」と漏らしていた。

黄瀬の能力は知っていたはずなのに。
いざ、目の前で、しかも自分の技を見せられると。




「…ちょっ、今の…玲央姉の、"地"?!」
「有り得ないわ…そんなに簡単に模倣(コピー)できるわけ…!」
「いや……、今のは完璧にアンタの"地"だったぞ…」
「だぁあぁっ!くっそ!!厄介な野郎だなぁオイ!!!」





騒然となる洛山メンバー。
しかし、そんな中、まるでこの状況を愉しむような微笑みを浮かべる者が一人。




「やってくれるね、涼太。」
「…まったまたぁ〜……全然"やられた!"って顔じゃないっスよ、赤司っち。」




涼しい顔の赤司に対して黄瀬もヘラッと笑って返す。
その後キッチリとシュートを決めて、結局このプレイで4点が海常の得点に加わることになった。






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