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試合開始から、38分。

Aコート、陽泉VS秀徳―――…




―――バゴッッ!!!!!!


空中に響く何度目か分からない轟音に高尾は思わずチッと舌打ちを漏らした。



(ちょっ……またかよ!!
洒落になんねーっつーか、ほんとマジどいつもこいつも化け物かよキセキの世代ってのは…!!!)



高尾からのパスで外の緑間、中からは大坪のダンク…得意のインサイドアウトプレイに持ち込むものの、それを容赦なく封じられていた。

緑間の超長距離3Pでこそ点は入るものの、中がどうしても崩せないのだ。




「ナイス、アツシ!!!」
「大坪さんっ…」
「高尾、ディフェンスだ!!!!走れ!!!」
「…っ、」




東京屈指のセンター、大坪が攻めあぐねている。何度もブロックされ堪えないはずはない。
しかし笛の音が鳴るまで、その瞬間まで勝利を諦める者など誰もいるはずがない。
宮地の声に高尾と緑間が即座にディフェンスに走る。




「アツシ、氷室にパスだ!!!残り2分まだまだ攻めんぞっ!!!」
「はーいよ、っと。」




日本人離れした体格。
長い腕からのダイレクトパスは黒子のイグナイトパスを思わせるほどのスピードがある。

紫原一人でも大変だというのに、陽泉にはあと一人、勝利に飢えるエースがいた。






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