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「…だ、大丈夫…赤司?」
「全く酷い企画だ…光樹が5番でなくて本当に良かったよ……」




降旗くんの元に戻るなりテーブルの上に置いてあるクロスで唇をゴシゴシ拭う赤司くん。
黄瀬くんが「オレはバイ菌っスか!!!」とツッコミたそうな顔してますよ。

ですが降旗くんは赤司くんの言葉を聞くなり珍しくムッと顔をしかめましたね。




「………なにが…良いの…?」
「え?」
「…な、なにも…良くなんか…ないだろっ…」
「…光樹?」
「……お、オレだって…、……………赤司が他のやつと…キス…すんの、嫌なんだから…」
「―――…、」





あ、赤司くん固まりました。
鳩が豆鉄砲食ったような顔してますよ。
相変わらず頭良いくせにどこか抜けてるからですから。
……降旗くんだってヤキモチくらい妬きますよね。
そんなことに今更気付くなんて…

……で、結果的に何故立ち上がって降旗くんの腕をガッチリ掴んでるんですかね赤司くんは。



「…光樹、」
「えっ……な、なに…?」
「別室で僕の頼みをきいてくれないか?」
「べ、別室???頼み…??」
「ああ。涼太に汚された唇を光樹に浄化してもらいたいんだ。」
「………へっ、???」





………何言ってるんですかとツッコみたいんですが、僕の100倍ツッコミ入れたいのは黄瀬くんですよね…きっと。

そしてそんな赤司くんの奇行を止めてくれた緑間くんと降旗くんを守ってくれた高尾くん、今回も空気を読んで頂き本当に感謝します。

ところで…
黄瀬くんの方は大丈夫でしょうか…。





「…何なんっスか…人をバイ菌扱いして…オレだって同じ台詞で返したいんスけど?!!」
「黄瀬…、」
「ううっ…せんぱーい…」
「…えーと…き、気の毒だったな…」




とぼとぼと笠松さんの隣に戻った黄瀬くんに労いの言葉をかける笠松さんですが…、あ、黄瀬くん不服そうですね。
ぷくっと頬膨らませて分かりすく拗ねてます。




「…先輩はヤキモチすら妬いてくれないし…」
「………えっと…」
「もういいっス…オレはひたすら王様を恨むだけっス…」
「…。」




いじけた黄瀬くんの背中を笠松さんが困ったように見つめてます。
多分笠松さんも全く平気だったわけじゃないと思うんですけど…
性格上みんなのいるこの場では言えないだけじゃあ…





「…おい黄瀬、」
「……なんっスか…」
「いつまでも拗ねてんじゃねーよ。」
「だって…」
「…お前が誰となにしようが…俺んとこに戻ってくるって分かってるから平気なんだよ俺は。」
「…………………え?」
「だから、お前のこと…信じてるっつってんだよ…。」
「せ、せんぱい…っ…」




せんぱーーーーーい!!!!!!!と勢いよく笠松さんに飛びつき(抱き着き?)ましたね…黄瀬くん…。
でも今回ばかりは笠松さんも「うぜぇ!」と蹴飛ばしたりはせず、むしろ諦めてヨシヨシと黄瀬くんの頭撫でてます。
(そしてちょっと顔赤いですね、そこんところ僕は見逃しませんよ。)




ということで…酷い命令だったので一時はどうなるかと思いましたが……
…まぁ…大事には至らず、今回も無事終了ということで宜しいでしょうか…

はぁ…なんだかほんと、バスケの試合より疲れる感じがするんですが…




「黒子、黒子、」
「…あ…火神くん…。すみません、進行役に気をとられてました。なんですか?」
「なんかよ、次からメンバーチェンジあるって。」
「え?」
「詳しいことは分かんねーけど…」





メンバーチェンジ…
いや、それはそれでチェンジできるならしたいですし、ありがたい事この上ナシ!ですが…

ただ…どう転んでも、この企画がまだ続くということだけはハッキリしてるんですね。


ええ…はい……
では……




第4回王様ゲームでまた会いましょう…






〜END〜





********



クジ引いたとき8番黄瀬で「…あっ」と思い、5番赤司さまってなったとき「……鬼の組み合わせや(・∀・)」って思った。

でも書いてみると意外といけた(笑)
いや、いけてない(笑)

王様は游さま!
鬼命令(by黄瀬)ありがとうございました!


2014/4/6 キサラギハルカ

2014/5/26 再UP





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