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どうしようか。
とりあえず無事マンションに到着したのはいいけど…
「先輩、先にお風呂入る?」
「えっ、あ、ふっ風呂か!風呂な!」
「……。」
「じゃ、じゃあ入ってく、っ…うお!!」
ガンッと部屋のごみ箱に足をぶつける先輩。
倒れて飛び出したゴミを慌ててまた元に戻して、ばたんっと部屋を出た先輩の後ろ姿を見てオレは自分の口元を押さえた。
……うーんと、あれかな。
多分あれだよね。
やっぱ…緊張、してるんだよね…。
やばい。
口元緩む。
いよいよリアルになってきた。
だってここまできたらもう進むしかない。
だって今日は『そのつもり』で、ううん、『そのために』先輩は家まで来たんだから。
…だから。
オレ…先輩をやっと抱けるんだ。
考えただけでやばい。
緊張させちゃってるのは悪いなって思うけど、でもそんな姿を見るのも可愛いくて仕方ない。
もうオレ、ほんと先輩のこと好きすぎておかしくなりそう。
今も、自分のバスルームで先輩がシャワー浴びてるとか。
それだけで興奮してヤバいんだけど…。
恐がらせたくない。
痛い思いもさせたくない。
優しくして、めちゃくちゃ甘やかせて、気持ちイイって言わせたい。
身体の外もナカもいっぱい触って、ぐちゃぐちゃのとろとろにさせて、喘がせたい。
追い詰めて追い詰めて、先輩の口から「もっと、」ってオレを求めさせてやりたい。
…って…ヤバい。
想像だけで勃ちそう。
頭ん中でエロいこと、イロイロ考えてしまった。
そんなタイミングでバタンと扉が開く音がして、ハッと我に返った。
振り返ると、タオルで頭を拭きながら少し恥ずかしそうに部屋に入ってきた先輩が、躊躇いがちに目を合わせてくる。
「…おう。……これ、悪ぃな。」
「あ、はい…っス…」
一回り大きいオレの部屋着を身に纏う先輩からは、いい匂いと、びっくりするくらいの色気。
思わずゴクリと喉が鳴った。
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