8 〜秀徳〜
テッちゃんと電話で数分やりとりをしていた真ちゃん。
電話を切った後、それはそれはものすご〜〜〜〜く険しい顔をして溜め息を零した。
「うわ真ちゃん、顔怖い!」
「……当たり前だ。嫌な予感が当たったのだからな。」
「あ〜……合宿のこと?」
苦笑しながら尋ねると、真ちゃんはまた重い溜め息を吐いた。
監督から告げられた週末合宿のことだ。
なんとまぁ洛山の監督サン直々に各高校に提案された合同強化合宿。
まぁ参加メンバーがどういうわけか「WCに出場したレギュラーメンバー」っていう指定だったのは確かに気になるところだけどね。
宮地先輩も大坪さんも木村先輩も、既に受験生モードだったから「え?なんで俺ら??」ってなってたし。
でもそれを踏まえた上で、監督から「引退前にWCでの悔しい思いを晴らしたいだろう?」と言われちゃあねぇ…
つーかオレだって…洛山のやつら負かしてぇし。
向こうにどーいう思惑があんのかは知んねーけど。
「……難しいコト抜きにしてさ、リベンジしてやろーぜ?」
まだ難しい顔をしてる真ちゃんに、ニヤリと笑ってそう言ってやった。
真ちゃんは「お前は単純でいいな」って失礼極まりない返事を寄越してきたけど、付け加えるように
「…まぁ、負ける気も毛頭ないがな。」
そう言って、不敵に笑った。
(やばい、真ちゃんかっこいい…!)
あ、あと余談だけど、合宿話が終わったあと、見計らったようなタイミングで宮地先輩の携帯に連絡が入ったんだけど。
その相手が洛山の葉山小太郎だっていうもんだからビックリだ。
『で?葉山サンなんて???』
『…………いや…意味分からねーことしか書いてねー………』
『えーと…なになに…、"宮地さんに会えるの超楽しみにして待ってるからね!""またバスケしようね!オレ負けねーけど!""宮地さん大好、』
『うわーーーーーーーー!!!!!高尾おまっ、勝手に見るな!!読むな!!!』
『あっすんません(笑)鷹の眼で見えちゃった(笑)』
『轢き殺すぞボケ!!!』
……宮地さんのこと好きとか葉山小太郎、恐るべし(笑)すぎるっしょ。
ぷぷぷぷと思い出し笑いしたオレの隣で真ちゃんは「?」と首を傾げていた。
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