7 〜海常〜











……少し急だな、とは思ったが。
まぁバスケ部にとって悪い話じゃねーな、とも思った。

森山だけは
「ちょっ、マジ?!」から始まり
「俺達ほら、受験生だよ?!!」だの
「新バスケ部レギュラー陣が参加すればいいじゃん!俺らもう引退組じゃん!」だの…
最後まで散々反対しまくってたけど。
(……ありゃ森山の馬鹿、週末に合コンでも企んでやがっただけだな。)

まぁ監督に行けって言われるまでもなく俺は参加希望者側だった。
小堀も早川もわりと乗り気だったし、最後まで喚いていたのは森山くらいだ。

黄瀬に関して言えば…………



「先輩っ、オレ超楽しみっス!」




………今、俺の目の前で目映いくらいの微笑みを見せてやがる。
つい溜め息を漏らしてしまうほどの脳天気なモデル台無しのスマイルだ。




「………楽しみって…遊びに行くんじゃねーんだぞ。」
「わかってるけど!でも先輩達とまたバスケ出来るの、嬉しいんスもん!!!」




そう言いながら今度は瞳を輝かせる黄瀬。
……ったく…ただでさえ無駄にキラキラオーラしてやがるくせに、さらに眩しくキラキラすんなっつの…。

……まぁ…IHもWCも悔しい結果に終わったし…
コイツが俺らの為に頑張って、泣いてくれたのも知ってる。

今も海常バスケ部のエースとして新しいメンバーと共に真面目に練習に励んでるのも…ちゃんと知ってる。

……俺としては…
そんな黄瀬を、たとえ合宿での練習試合だとしても…、勝たせてやりたいって思う。





「?先輩??」
「……いや、えっと…、お前もう足は大丈夫なのかよ?」
「足?ああうん、無茶しない限り大丈夫っスよ?」
「……そっか。まぁ合宿でもあんま無理はすんなよ。」





そう言うと黄瀬は何を驚いているのか目を丸くさせて、「心配してくれてんスか?!!!オレ感激っス!!!!」といきなりあの長身でがばりっと伸しかかってきやがった。





「ちょっとお前らマジ目障りなんだけど?!!」
「黄瀬っキャプテンからはな(れろ)ーーっっ」
「ははっ、皆仲良いな。」





後ろからは森山の野次と早川のバカでけぇ叫び声と、小堀の場違いなニコニコ顔。


……こいつらには合宿に対する緊張感とか闘志的なモンとかねぇのか、と俺は一人(肩にでかい馬鹿犬抱えながら)溜め息を吐いていた。





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