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今度はまさこちんに視線を移してみた。
まさこちんが肩を震わせながらキッと鋭い視線を向ける。





「…発案者は私じゃない。洛山の白金監督だ。……これは受けないと"逃げた"と見なされるだろ!!」





まさこちんの言葉にオレはピンとくるものがあった。
直感っていうか……でも多分、当たってると思う。



(……あー…これ絶対赤ちんが絡んでるな。)


……"絡んでる"んじゃないか。
洛山の監督じゃなくて、多分発案者が赤ちん本人なんだろう。

だっていろいろ無茶苦茶だし。
その無茶苦茶ぶり、いろいろ思い当たることあるし。
(………じゃあもう参加するしかナイか…)


赤ちんが絡んでいるとなると諦めるしかない。
めんどくさ、と思うオレ以外のメンバーはまだ疑問だらけの強化合宿に首を傾げていた。
まぁ室ちんに至ってはすでに頭ん中バスケ一色になってるけど。



「ワシらも参加する意味あるんかのぅ…」
「……アツシと氷室、劉はともかくなぁ?」
「私も合宿とか御免アル。」



顔を見合わせながらそんな会話を続ける3人にまさこちんがスパーン!!!!と竹刀を振り落とした。
くわっと叫ぶ姿はマジただのヤンキーだと思う。




「お前ら!聞け!向こうには"他の学校は参加しますがそちらが参加するかどうかは自由です。まぁ勝てる自信がなければ辞退したくなりますよね"と言われた……これは完全に喧嘩を売られているんだぞ!!!」



……うん、まさこちんさ、
それは喧嘩売られてんじゃなくて、完全に上手く操られてるだけだよー…


冷たい視線を送るものの、まさこちんは気付かない。
それどころか。





「なんじゃと!ワシらが負けるとでも言いたいんか!!」
「ふざっけんな!!絶対防御ナメんじゃねーよ!!」
「…ムカつくアル。勝って土下座させてやるアルよ。」





……あれ?
何でそーなんの。
は?馬鹿ばっかなの?

ねぇ、今の言葉で他に突っ込むところあるよね?
例えば「他の高校」って単語とかさ。
気になんないわけ?
ウチ以外にも少なくとも何校か同じように誘われてると思うよ。
これ普通の強化合宿じゃないと思うよ。


もはや心の中で呟くしか出来ない状態のオレに、今度はみんなのギラギラした視線が集中していた。





「紫原!!勝って我がチームが1番だと他校にしらしめてやるぞ、いいな!!」


「皆、やる気出すアルよ!」
「オレらもまだまだ現役だっつの!!なぁ岡村!」
「勿論じゃ、最強は陽泉じゃ!!」
「アツシ、絶対勝とうな…!」





………………。
………駄目だ、全員馬鹿だ。


オレは一人頭を抱えたくなった。







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