2
・ポッキーゲームとは
2人が向かいあい、1本のポッキーの端を互いに食べ進んでいき、先に口を離したほうが負けとなる。
お互いが口を離さずに食べきった場合、その2人はキスをすることになる。
( W●kipedia引用 )
"先に口を離したほうが『負け』となる"
その時氷室は思った。
「どんな勝負でもタイガには負けたくない…!」と。
その時火神は思った。
「どんな勝負でもわざと負けるとタツヤはキレる…絶対キレる…」と。
その時紫原は思った。
「もし何かあったら火神捻り潰す。何かなくても捻り潰す。」と。
その時黒子は思った。
「…ああ…これは駄目ですね…嫌な予感がします…」と。
最後に高尾は思った。
「なにこのカオス(笑)ていうかテッちゃん動揺中だから今回オレが進行役しちゃうぜ!」と。
そんな訳で。
さーもうそろそろ長い前置きはナシにして、第2回目王様ゲームはじめるよー!
はい、テッちゃん見るの辛いかもだけど堪えてな!
紫原も何とか堪えてな…って、うひゃ〜…すげぇ勢いでお菓子食ってるし!
「うわ〜氷室さんのあの目、多分負ける気ぜろっスよ…。」
「…勝負事絡むと厄介だよな、氷室の性格(※極度の負けず嫌い)ってよ…」
「黒子…大丈夫かな……」
「…。(他人の心配をする光樹…可愛い。)」
どこか遠い目して見守る海常コンビ、
ハラハラしながら見守る降旗、
その隣で降旗を見守る赤司、
「気の毒過ぎて見るに堪えないのだよ!」とお汁粉一気飲みの真ちゃん
そんなメンバーをよそに、ポッキーはだんだん短くなっていって……
……えっ…マジで短いんだけど…。
こりゃそろそろどっちかが口離さないと…チューしちゃうっぽくない??!!
ちょっと待って、今さらだけど色んなことが心配になってきちゃったよオレ……
「………ほんとにチューしちゃうんじゃ…黒子っち大丈夫っスか?」
「………げ、ゲームですから…だ、大丈夫です。」
「顔色が優れないのだよ黒子!」
「………………あ〜…もう限界だし…」
「敦?」
「やっぱ無理。力ずくでも止めるから。」
あ、なんかキセキ組が集まってると思いきや…うわ!!また赤司が紫原を制止にかかってる!!
おいおい…やばいんじゃねーのマジで…。
やだなぁ平和主義の高尾ちゃんとしてはさ、血をみるのだけは勘弁だかんね!
(た、タツヤっ…!これマジで洒落になんねーやつだぞ…!!)
(…そんなこと百も承知だけど…負けるのは嫌なんだから仕方ないだろう…!)
なんか氷室さんと火神が目で会話してるけど、背後でちょっとしたバトル起こってること気付いてる??
鷹の目じゃなくても気付こうぜ、そこは。
はぁ…と思わず溜め息が出そうになった時だった。
ずっと何かを我慢するように口を噤んでいた人物が、ぐっと意を決したような顔で一歩前に出て。
そして。
「火神の馬鹿!!!黒子のこと想ってんならそんな勝負、負けることなんか簡単だろっ…!!!もし黒子が泣いたらっ…オレ火神でも許さないからなっ…!!!!!」
…皆が一瞬で静まり返っちゃうくらいの大きな声で叫んでいたのは。
肩を震わせながら立っていたのは。
まさかの降旗だった。
[ 163/217 ]
[*prev] [next#]
[戻る]