葉山小太郎の決意(葉宮)
※『宮地清志の受難』とリンクしております。
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返事がきた。
数十回のメールと電話の返事。
待ち続けて待ち続けて、そうして待ち望み続けたメールの内容は。
【轢くぞ馬鹿】
……わぁ…内容っつーか、一言だけだし。
(内容ねーじゃん!)
それより何より『好き』っていう告白の返事が『轢くぞ』ってなんだろ。
まぁ宮地さんらしいっていえばそーなのかな?
「小太郎、そろそろ行くよ。」
「あっ、赤司!うん、分かった!」
「…何か良い知らせでもあったのかい?」
「えっ?なんでなんでっ?」
練習直前まで部室でスマホを見つめてたオレを迎えに来てくれた赤司。
オレの顔を見るなりフワリと微笑みながらそんな言葉を言ってのけたのだ。
良い知らせじゃないし、どっちかっていうと悪口のよーな気もするし、だから「なんで?」って逆に聞いてみたんだけど。
赤司はたった一言、何でも見透かすような綺麗な瞳を向けながら、
「嬉しそうだから。」
そう言ってまた微笑んだ。
〜葉山小太郎の決意〜
(……嬉しそうだから、かぁ…)
赤司の言葉が頭ん中、繰り返してる。
でも、うん。
その通りなんだろうな。
やっと来た宮地さんからのメール。
内容はアレだけど、でも、素直に「やった!」って思った。
だって今の今まで盛大に無視し続けられてきたんだもん。
返事来ただけでガッツポーズだよ。
…でもこんなことでこんなに嬉しいってなるの、初めてかも。
(オレ多分、やばいくらいあの人のこと好きになってる。)
WC秀徳戦でマッチアップするまで名前も知らなかったし、WCの後もマトモに話したことないし、
…あの人のこと何も知らないのに、不思議。
でもさ、ビビビッて来たんだよね。
(なんか、雷に打たれたみたいな?)
柔らかそーな金髪とか背高いのに華奢な身体とか、あともちろんカオとか!
つまり外見も好き!
だけど、なんかそれだけじゃなくて。
何て言うのかなー…
勝敗見えても弱音見せたりしないとことか、自分だってダメージ喰らってるのに後輩クンを励ましてあげたりだとか。
そんなふうに健気に頑張る姿、みたいなのにゾクゾクしちゃったのかもしれない。
秀徳のやつらの様子見てると多分宮地さんって口悪いし、怖いってイメージなんだろうけど…でもオレ的には美人で綺麗で肌白くって実は後輩想いで優しいとことかたまんないねって思うんだよね!
つまり…いろいろまとめると、オレの野生のカンがいっているのだ。
『このひと以上にビビビッてくるひとはいないぞっ』て。
まぁだいたい一目惚れに理由も理屈もないんだけどさ!
「…小太郎今日どうしたのかしら?」
「すげー調子イイよな。」
「ふふっ、二人ともなかなか鋭いね。」
「あら…征ちゃん何か知ってるの?」
さぁね、と惚ける赤司に玲央姉と永吉が首を傾げる中、オレは自慢のドリブル練習に励んでいた。
いつか宮地さんに「お前のドリブルはすげーな。」って褒めてもらえるといいなって想像しながら。
んでもって「轢くぞ」が「好きだ」になるまで絶対諦めねーかんね、って決意しながら。
3本、4本と指を増やす。
なんだか今のオレ、誰にも止められないんじゃん?って気分になる。
だってめっちゃワクワクするんだもん。
練習終わったらまたメールしよう、そしたら宮地さん、今度はなんて返してくれるかな。
やばい、ほんとにワクワクする。
そんなことを考えながら最後に披露した指5本のドリブルは、
きっと、間違いなく、
過去最高最速だったと思う。
〜END〜
(……調子が良いのは何よりだが、少し五月蝿いね。)
(ほんと小太郎ってば…耳が痛いんだけどっ!!)
玲央姉と赤司から苦情がきたのは約3分後のことでした。
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葉宮といいつつやはり
葉→→→→→→→宮でした。
でもいつか葉宮に!(2回目)
もう小太郎が可愛いっていうかカッコイイっていうか、本誌やばい(・∀・)
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