宮地清志の受難(葉宮)









「なぁお前ら、俺のことどう思う?」





部活中、10分間の休憩タイムにドリンクを飲む緑間とタオルで汗を拭う高尾にそんな質問を投げ掛けてみた。

二人とも「は?」っていう顔を一瞬見せやがったが(しかも同時に)、数秒空中で何かを想像したのかすぐに答えを返してくれた。
返してはくれたのだが。




「…口の悪い先輩ですか?」
「ドルオタっすかね〜(笑)」




……………。
…とりあえず緑間1発、高尾には3発の拳骨くれてやった。

ひでー!!だの
何なのだよ!!だの、抗議的言葉を背中に受けながら俺は一足先に練習を再開して思うのだった。




(……でもまぁ…普通はそうだよなー…)









〜宮地清志の受難〜










俺の頭を悩ませやがる原因は、最近送られてくるメールの内容にある。
そして、その送り主にある。




「……また来た…。」




帰り道、スマホの液晶に表示されていた名前を見るなり「はぁあぁ」、と深い溜め息が出た。
隣に歩く木村が俺の様子を見て小さく吹き出す。
そしてサラリと言ってのけた。



「けっこう続くな、洛山の2年。」
「……。」
「葉山小太郎だっけか?確か無冠の五将の一人だよな?」





…その通りだ。
どこで入手しやがったのかは知らねーけど、俺のスマートフォンの履歴を埋め尽くしかねないのは"葉山小太郎"の名前。



――――葉山小太郎。
泣く子も黙る絶対王者、あの赤司征十郎率いる洛山高校バスケ部レギュラーメンバーのうちの一人。

でもって中学のときは無冠の五将と呼ばれていた、いわゆる天才肌タイプのプレイヤーだ。
(俺は努力タイプ。木村も大坪も努力タイプ。努力タイプ万歳だ。)


…実際WCで葉山とマッチアップした俺はアイツの底が見えねー実力に自分の弱さを痛感した。
そんくらい葉山は強かった。
(しかもアイツ本気出してなかった。くそムカつく。轢きてぇ。)



………で?だから???
だから何でソコで話は終わらねーんだ、って話だよマジ。

何でアイツが俺に興味とか持ったわけ???
いつ?どこで?
何キッカケで???





『オレさ、宮地さんのこと好きになっちゃった』





何でそうなるんだよ…
(誰か解るように簡潔に教えてくんねーかな…)




「……はぁ…」
「おい宮地、溜め息2回目だぞ。」
「……だってよ…コイツ…毎日のようにメール寄越しやがんだよ…無視してんのに。」
「例の"宮地さん好きーっ"ていうあのメールか…ネタじゃなくてマジだったんだな…」
「ネタだと思ってた頃に戻りてぇよ…」
「………お前を好きとか…なぁ…?」





木村が青い顔して俺を見る。
いや、そんな顔されても、俺が自分で1番分かってる。
ありえねーって。
俺のどこに男に惚れられる要素があるんだ(いや、ねーだろ)って。

でもメールと…たまに電話で、繰り返すように『好き』だと告げられる。
電話にはもう出ねーようにしてるしメールだって無視してる。
なのに今日も変わらず同じような内容のメールを送ってきやがるんだからアイツはマジで一体何を考えてやがんのか。
謎。もはや謎でしかない。




「でもよ、何か相手にされなさすぎんのも可哀相っつーか…、なんか葉山って犬みたいだし…」
「……俺にどういう返事をしろってんだよ…」




恨めしげに睨みつけてやると木村は「そりゃそうだけど」と苦笑しやがった。
付け加えて「お前がソッチの世界に飛び込んでも(緑間と高尾で)耐性ついてるから安心しろ!ずっとダチだ!」なんてふざけた事を言いやがるもんだから、俺は肺いっぱいに空気を吸い込んだ。







「木村ァ!!!てめぇ1tトラックで轢かれてぇのか!!!!!!」





逃げる木村を追いかけながら、全く同じ台詞を遠く離れた場所にいる葉山の馬鹿にも言ってやりたいと思った。
ボリュームを更に2倍くらいにして叫んでやりたいと思った。



真剣に、
心の底から、
そう思ったのだ。








〜END〜










*******





葉→→→→→→→→→宮というカンジ。

いつか「葉宮」になることを信じています(・∀・)

始まりはメール。
今後小太郎が行動に移して宮地さんをモノにする過程を書きたい。
葉宮を全力でプッシュしたい!


でも小太郎が東京に出てくる理由がない……、ということで各高校が集合する合宿ネタを書きたい。
葉宮と赤降、延距離組のために合宿ネタ書きたい。

…という願望&妄想(・∀・)






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