卒業生としてのあるべき姿

見送る側としてのあるべき姿。




そうそれはこんな雪の日だった
みんなが涙して別れを惜しむ中俺だけが冷めた気持ちで一人立ち尽くして居た

友達?
探したけど見つからなかった
きっとどこぞで他の奴等と写真でも撮っているに違いない

だから
そうだから奴も
その騒ぎに便乗させられているものだと思っていた
思っていたのに
その予想は見事に打ち砕かれた

今俺の目の前に立つ銀色のうさぎは
その真っ赤に染まる眼光を反らす事なくこちらに向けて居た

心なしか瞬きが多い
寒さに弱いだろうにその人は
わざわざこんな屋根の無い外へ

とはいえ俺の方もそろそろ
中に入るか帰るかと考えていたくらいの頃なので
躰は充分に冷えきって居たのだが

視線を交わすだけの会瀬は
今まで何度でも味わってきたけれど
一番
一番長い時間のように思えた

双方口も開かず雪に埋もれ
埋もれながら息はただ白く
白く

騒がしい声も少なく
視界に入る流動物も減った

白銀の下の赤が細くなる
口元は首に巻かれたマフラーで見えない
嘲笑っているのか
微笑っているのか

白衣を翻し校舎内に入って行くその背中は何もかもを包み込むようにただ広く
広く

そんなものを追いかける俺はもう末期なのかも知れない。





−−−
ぱっつちですね
永久就職ですな
2012.01.17

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