「うっわ、またマヨネーズ?キモいうざい消えてしまえ」
「てんめぇぇぇ!!」
土方と私の昼休み恒例のやり取り。わたし、相当口悪い。だけど、土方が嫌いだからこんなこと言ってるんじゃなくて。
「(うわあぁぁ私の馬鹿!)」
なんて素直じゃないんだろう。確かに、彼の極度のマヨネーズ好きはやり過ぎだと思うけど(私があまりマヨ好きじゃないのもある)本当は可愛くないことばかり言いたい訳じゃない。むしろ本当は、
(好き、なんだよなあ)
剣道をするときの真っ直ぐで真剣な目に、ドキドキしたのを覚えている。もちろん、今もだけど。
「さっさと告っちまいなせぃ。にしてもあんたも物好きだねぃ」
「別に物好きじゃないよ、土方がモテてるのは知ってるでしょ」
「オレだってモテまさぁ」
「そーですね」
事実だから、否定出来ないのがなんだか悔しい。
「っと、土方コノヤローじゃないですかい」
沖田のその声に心臓が跳ねた。
「んだよ、いちゃ悪いか」
「なあんだ、土方か」
「てめえも毎回毎回…そんなにオレが嫌いかよ」
「違う!」
「!」
(やっちゃった!!ヤバいどうしよう)
つい勢いで言っちゃったよ。土方もぽかんとしてるし。沖田は、…逃げたな。もう!
「えっと…今のは、ついっていうか…その…」
上手く言葉が出てこない。駄目だ、ここまで追い込まれてもやっぱり言えない。
「今のは?」
土方もなんでそんなに突っ込んで来るかな。
「オレは」
「え…何?」
何だろうこの雰囲気。いつもと違う、
(好き、それだけでいいんだ、他はいらない)
(期待してもいいってことか?…て聞けよ、オレ)
その一言が、出てこない20111126
sweet sweet様に提出
好きなんて言えるもんか