「トシー!」
ばたばたと廊下を駆ける足音がしたかと思えば、勢いよく開く部屋の戸。見れば俺の部下、基彼女の名前だった。
「だから仕事中は副長って呼「誕生日おめでとう!」
「……あ?」
頭の中にカレンダーを浮かべれば、確かに今日は5月5日、俺の誕生日だ。どうやら最近仕事詰めだったせいか、自分の誕生日も忘れていたらしい。
仕事中だと自分に言い聞かせてみるも、嬉しそうな彼女の顔を見ると口元が緩んだ。
「ありがとな、名前」
「へへ、トシ大好きー!」
「!」
可愛い事を言いながら抱き着いてきた彼女。いやに積極的だ。それに、今日はまだ5月にも関わらず暑くて、名前もシャツ一枚。いつもより直に体温を感じ…… え?
違和感を覚え、まさかという思いで彼女の顔を見ると、暑さのせいかはたまた別の理由か、頬がほんのり赤く染まっていた。
「ちょ、お前…もしかして」
「あ…ば、ばれた?」
「お前、な、何して…うぉ!?」
有無を言わさないように、彼女がさらにきつく抱き着いてくる。それもさっきより胸を押し付けてきている気が。
「な、なんで…付けてねぇんだよ!?」
そう、彼女はまさかのノーブラで。意識してしまったことにより、余計にその部分だけ熱を持っているような気がする。ただでさえ短いスカートの制服にノーブラ……て、いかんいかん。
「あ、あのね…最近忙しかったから、プレゼントが何も用意出来てなくて」
「あぁ…」
確かにここ一週間ほど、こいつも俺も働き詰めだったな。
「で、総悟に相談したら、こうしたらトシが喜ぶからって……」
(あいつか犯人はぁぁ!!!)
悪魔のような笑みを浮かべるあいつの顔を想像するのは容易で、ため息をついた。名前は単純な上に天然だから、男に対して無防備すぎる。
「ごめん…嫌だった?」
「嫌っつーか…な、泣くな!って…」
ここで嬉しかったなんて言ったら本当に俺はただの変態だ、そう思い葛藤していると、
(透けてやがる……!)
なんとか己の理性を保とうと背を向けると、後ろにぴたっとくっついてきた名前。
(あ、)
グッバイ理性((あのね、下着付けないと良いって言われたから…し、下も履いてないの))
((ぐふぉ!!))
((トシ、鼻血!!))
こんなネタですみません!副長誕生日おめでとう\(^o^)/20110505
グッバイ理性