「……で?今度は一体何の喧嘩?」
「……」
担任のイルカ先生には、しょっちゅう話を(主にサスケの愚痴だけど)聞いてもらっている。イルカ先生って優しいし、なんか話しやすいんだもん!
「……てなわけなんですけど。ああ、思い出したら腹立ってきた……」
「名前もあいつが嫌いなわけじゃないんだろう?」
その問いにこくん、と頷く。何もこんな喧嘩までしたいとは思わない。痴話喧嘩は毎日のことだけど、それとはまた話が別だ。
「仲直りしたいなら、本音を言い合うしかないさ」
「いや……あたしは本音結構言ってると思うんだけど」
「じゃあサスケの本音は?」
「……え、」
サスケの、本音?
そういやこの間は、こっちが一方的に怒って、向こうの言い分何も聞いてなかったような。
「あいつだって結構悩んでるよ」
「うそだぁ!完璧なサスケに悩みなんか……」
「いやいや、実質は……名前だから言うけど、進路の事でも最近悩んでるよ」
(え)
なんだか意外な事を聞いた気がする。ていうか、あたし聞いちゃって良かったのかな。
「幼なじみなんだろ。向こうも喧嘩して良い気はしないさ」
「そうかなあ……」
「そうだから!じゃあちゃんと話せよ」
「はあい」
サスケの本音、か。
一体何に悩んでるっていうんだろう?
知ってるようで知らない事
((明日、話せるかな……))
20110514
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