「じゃー昨日の小テスト返すからなー、取りに来い」

眠いのかそうじゃないのか分からない数学のカカシ先生が、やる気なさそうにテストを返す。あたしの心臓はばくばく。実は最後の問題だけあんまり自信ないんだよね……だけどそれ以外はいけた、と思う。

「苗字ー」

名前を呼ばれ、テストを受け取る。92点。やっぱり最後の問題、途中からミスってたか……その時するっとテスト用紙が手からなくなる。慌てて見るとサスケがにやりと笑って自分のテスト用紙を見せ付けてきた。

右上に大きく「98」と書かれたそれを引ったくる。

「ま……また負けたぁ!」

「応用解けなかったのかよ、だっせーな」

「サスケこそ、何よその凡ミス!性格のいい加減さが出てるわよ〜」

「んだとてめぇ!」


ごんっ

「「……」」

いきなり頭上から降ってきたげんこつに、二人して見上げる。

「あーもうお前らうるさい!小学生じゃないんだから……」

「ちょっと先生!サスケ君に何すんのよ!」

「そうよ、たんこぶ出来たらどうするの!?」

じんじんする頭部を涙目になりながら押さえる。

「カカシ先生ひどい、すごい痛いんですけど」

サスケはともかく、乙女の頭にげんこつを落とすなんて……!!
そしてサクラにいの、あたしの心配はしてくれないのか。(この恨みは大きいぞ!)

「ふん、名前、これでもっと頭が悪くなったんじゃねーのか?」

「あんたこそ単細胞に更に磨きがかかったことでしょうね」

「いい加減にしろ!そんなにいちゃこきたいんなら、廊下でよろしくやってなさいよ」

ごんっ

「い…痛!!」

(この馬鹿力教師め……)

痛み分けってやつですか
((いちゃこく!?ふざけんなー!!))


20110316




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