「違う違う、あたしは」
大学に入ってそれなりの企業に就職。しばらくは働きつつ遊んで、かっこいい金持ちの彼と結婚して玉の輿の生活を送るんだって決めてる。だから断じてこいつなんか……!
一人悶々と考えていると、
「何なんだよ、お前は」
「ぎゃっ!」
サスケが馬鹿にしたようにふ、と笑ったかと思えば、体をぐいっと寄せられた。
瞬間、止まる音、動き、時。
ただ分かるのは、目の前にサスケの顔がある。ということだけで。
「〜〜!!?」
思わずどんどんとサスケの厚い胸板を叩いて飛びのいた。
「ばっ…馬鹿なのあんた!何してっ……」
「その俺以上の馬鹿に分からせてやっただけだ」
「なっ……」
そんなことを言っている間にも、全身の血液が顔に集まる。
いきなり、キ、キキキキスするだなんて……!
「お前は鈍感過ぎだ。あんだけ名前に絡んでおきながら、何もないと思ったか?」
「あれで分かるわけがないでしょ……!?」
絡むったって、あたしたち顔を合わせるたびに喧嘩しかしてなかったし。
ていうことは、あれだよね。サスケは、あたしのことが
「で、どうなんだよ」
「え?」
「阿呆か。返事は?」
そんなの、決まってるじゃないか。
「何でも出来て女の子にモテて、そのくせ生意気で、
大嫌い!――けど、大好きだよ!」
言ったと同時に、今度はあたしから唇を押し付けてやった。サスケは目を見開いて驚いている。ざまあ。
相反する気持ちと行動
((あれ、いつから?))
20110804
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