なあんだ。サスケも一緒だったんだ、馬鹿みたい。
けど自分のやりたい事って、そう簡単に見つかるものじゃないよね。人によってタイミングがそれぞれだ。

「イルカ先生が言ってたんだけどよ」
「うん」
「夢がまだ無いって、素晴らしいことだ。なぜなら無限の可能性があるってことだから……だとよ」
「へえ……」

そういう考え方、新鮮かも。
大人は、最近の子は夢を持っていないってよくワイドショーなんかで話しているけど。
今の言葉でちょっと元気が出た。


それにしても、夢か。
あたしは何になりたいんだろう。


「くさい台詞だけど、納得した」
「そうだね。……ね、サスケ!じゃあ今度はどっちが先に夢が出来るか勝負ね!」
「フン。焦ってもどーもならねぇよ」

あ、ようやくいつもの二人。
仲直り、出来たかな。仲直りっていっても、あたし達の場合は痴話喧嘩する仲に戻るっていう感じなんだけど。


結構話していたみたいで、気が付けばもう分かれ道まで来ていた。

じゃあ、と手を振ろうとした時、サスケがふと声をかけてきた。

「……あ、名前。そういやこの前、なんであの女子達にキレてたんだよ」
「え?あぁ、それは」

そりゃー、サスケの横にずっといたのはあたしだし、まあ我が儘だけど、サスケがあんなにモテるとか、分かってたけど、てちょっと待て

「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!!」
「っは?いきなり叫ぶな」
「違う!……ていったぁ!痛い痛い!」

思いっきりデコピンされた。おでこ腫れるよこれ絶対赤くなってるってば……!

あたし、今何考えた?

((こんなのって、まるであたしが))



20110713



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