(……あ)

ほら、まただ


目が合って、だけど何か言うことが出来なくて。胸が苦しい。早く、早く気持ちを吐き出したい。

「そんなに言うなら、告白しちゃえば良いじゃない」

「いの……そんなに簡単に言わないでよ」

もっぱら最近の私たちの会話は、私の恋愛の話ばかり。シカマルと幼なじみのいのには頼ってばかりだ。


「けど……本当に、」


言わないと、伝えないと、胸が苦しくて死んじゃいそう。


そう呟くと、いのは優しく笑ってくれた。

……頑張って、みようかな。









「……シカマル!」

日直だったから、教室にはシカマルが一人残っている。今日を逃すわけには、いかない。シカマルは窓際に立って空を眺めていた。雲を見るのが好きなんだよね。

「ん?」
「あの……ね」

隣に立ち、気持ちを落ち着かせるために私も雲を見上げる。


近い。あなたの吐息が耳に届いてしまいそう。



「私……シカマルのことが、」

いつか届いて、通じて欲しいのこの想い



20110922
素敵企画様sep15.22に提出。




吐息


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