好きで好きでしょうがないんだ、考えれば考えるけど胸が暖かくきゅんとして、この気持ちどうしたらいいんだろう。

ベッドの隣で寝息を立てて眠るカカシを見て思わずため息。
馬鹿って言われそう、好きすぎてため息つくなんてね。

時計を見ると深夜。暗くて、月明かりだけが光っている。静かで、なんだかとても神聖な夜に思えた。

そっと体を寄せて、彼の温もりを感じる。

「……すき」

普段は恥ずかしくてなかなか言い出せないこの言葉。だけど今は甘えたい気分で、そっと呟くと、背中がぎゅうと圧迫された。

「……カカシ?」
「どーしたの葵……今日は甘えたさん?」
「ん」

頭をカカシの胸の当たりに寄せると、さらに強くぎゅっと抱きしめてくれた。

「珍しいね、お前がこんなに甘えてくるなんて」
「……そういう気分なの」

少し拗ねたような声でそう言うと、くすりと笑い声が聞こえる。そしてゆっくりとカカシの綺麗な顔が近付いてきた。

そっと優しく触れるだけのキス。それだけでも、カカシのキスは甘い。
目をうっすらと開けてからもう一度閉じて、今度は私から頬にキスをする。

「かーわい」
「んっ……は、」

カカシは少し目を見開いたあと、すぐにお返しの熱いキスをくれた。今度はさっきみたいに優しくなくて、とろとろに溶けちゃいそうなキス。

だんだんと深くなるそれに、二人一緒に堕ちてゆく。カカシの大きくて温かい手が、腰をなぞり、身体のラインをまさぐった。


「……っん、カカシ、明日任務じゃないの、」
「お前は気にしなくていーの」
「馬鹿っ……」
「ほら、こっちに集中して」
「……っ」


お互いの体温を感じる時、悲しくもないのに胸が切なくなる。ああ、これが幸せっていうのかな。




title 確かに恋だった



20110728




夢よりも甘い現実を


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