約一週間の任務を終えて、やっと木の葉に帰ってくることが出来た。体に染み付いた血の匂いが鼻につく。五代目への報告は終わったから、早く帰ろう。まずはシャワーを浴びて、それから、そう思った時。家の前に人影が見えた。ずっとずっと会いたくてたまらなかったその人を見間違えるはずがない。だけど、あまり素直とは言えない私にとってその気持ちを口にする事は簡単ではなかった。


「カカシ、ただいま」

「おかえり。怪我ない?」

任務に出る前と何一つ変わらない彼の顔を見て安心する。それより待っててくれたんだ、という事実に顔が綻ぶのを抑えることが出来なかった。

「!」

ぎゅうっとカカシに抱きしめられた。だけど私は少し抵抗する。

「シャワー、浴びたい…帰ってきたばっかりだから汚いよ」

「いーの、俺は気にしないから」

「……っ」


犬みたいに首筋に鼻を押し付けられてくすぐったい。さすがに恥ずかしくなってきて、顔が熱くなるのを感じた。

「カカ、シ…ここだと人が来ちゃうかも」

「駄目、もうちょっと。相変わらず葵はツンデレだな」

「ち、違うし!」

「いーい?俺は、葵に会いたくて会いたくて仕方なかったわけ。寂しかったんだけどな」

(……!)

待って、もともと女には慣れてるなあとは思ってたけど、こんなにストレートに感情表現する人だったっけ。
だけど、カカシも同じように思ってくれてたことが嬉しい。


「ん…、は」

ねっとりと深く口づけられ、頭の中が真っ白になる。この人とのキスは何回しても慣れない。
外の空気が冷たいせいか、舌が熱い気がする。抱きしめ合っているとカカシの匂いがいっぱいに広がって、夢中で舌を絡ませた。

唇を離すと、二人を銀色の線が繋いで何だかそれがいやらしく見えた。もう一度改めてカカシに抱き着くと、強く抱き寄せてくれた。


「相変わらず、本当は甘えたなんだから」

「………うるさい」

照れ臭いけど、大好きっていう気持ちの方が勝つから気にしない。カカシはあんなこと言ってたけど、私の方が何倍も淋しかったんだから!



離れていた時間を埋めるように、たくさんキスをしよう。



20110615




きみ不足が深刻です


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