04
「何今の……私が……やった?」
……ぃや……」
なにもかもが怖い。
逃げなきゃ。どこに?ここがどこかも分からない。それでも、逃げなきゃ。こんなにたくさん、人が倒れているのに。
足が縺れて上手く立てない。それでもなんとか立ち上がり、何度も躓きながらひたすら走った。
涙は体の痛みのせいだけではない。
心臓が痛い……心が……
(何?さっきの人達は何を言っていたの?
それに、私は……あの人たちを、殺したの……?)
私が、この手で――?
(やだやだっ……違う……!!!!私は……ただの一人の人間なのに)
どうしてこんな目に……!
ドンッ
(!)
誰かにぶつかり、その反動で後ろに倒れる。今はとにかく誰にも会いたくなかったのに……
すると、涙でぼやける視界に一つの手が見えた。
恐る恐る見上げると、そこにいたのは――
「……ぁ……あ」
「……酷い顔をしているな」
この赤い瞳を、忘れるわけがない
「覚悟が決まった……のとは少し違うようだな」
(うちは、イタチ……)
そうか、ここは
木の葉の外れの森だ―――
20110407
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