04
どさっ
「いったあ……」
だいぶ飛ばされた気がする。雨に濡れた服に地面の土がついて気持ち悪い。
しまった、家からだいぶ離れた。
さっきの「あれ」は、私を外に誘い込む作戦だったのだろう。軽々しくそれに乗った自分に腹が立つ。
家にいる時は結界がはってあるから安全だが、外ではそうもいかない。
(ここは……森?木の葉のどこだろう、全然分からない)
辺りに民家は一軒も見当たらない。それに木が重なり合っていて薄暗い。
「!」
ざっと姿を現したのは、またもやさっき傷ついて倒れていた4人。
「……私の誕生花、何か知ってる?」
聞かなくとも答えは分かっていたが、一応聞いてみる。
「……」
案の定答えない4人に、内心舌打ちをする。
「一体誰が変化してるっていうの?
性質が悪い、正々堂々と出てきなさいよっ……」
「葵」
偽カカシがにこっと笑って、私に言った。
「なんで木の葉に帰ってきたの?」
「え……」
その言葉が、私が今最も恐れていたものだっただけに――
相手が本物のカカシさんじゃないということも忘れ、体が硬直してしまったかのように動かなくなった。
20110403
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