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「……はあ」
いつも通りに朝から騒がしい教室の中、手帳を開けて思わずため息をつく。普段ならあの賑やかさに私も入っているような気がするけど。すかさずため息ついたら幸せが逃げるよ、なんて友達が言うけど、これからの事を考えると少しだけ頭が痛い。
「だって、もうすぐ期末なのにこの課題の量。おまけにテスト終わったらまた部活始まるし……」
私が所属している吹奏楽部は、一応全国大会というものに出場していたりする。それにはもちろん厳しい練習というオプションつき。なにげに私は部長だったりするので、練習量を思い返すと……
「またまた!今年こそは金賞取るんでしょ?あの時の気合いはどこ行ったのよ!」
「んー、分かってる…けど…こう休みが続くとね」
テスト週間は勉強こそ大変だが、体は休まって助かるなあなんて思ってる。
「ま、また始まれば気合い入るでしょ?あんたの事だから」
「んー、そだね!まずはこのテストを乗り切るわ!」
そこまで話した後に教室のドアが開き先生が入ってきたので、私たちの会話は終了した。
それは突然やってくる
何の前触れもなしに
「まさか本当に成功するとは……あの忍術は痕跡を残すのが弱点といったところでしょうかね」
「話は後だ。とにかく陽蓮を捜す」
「チャクラは感じませんが……ここに出てきたということは、この建物の中にいるんでしょうかね。三木葵は」
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