05
「何か考え込んでるけど……大丈夫?」
「あ、うん……。
その変化をしている忍も、私のチャクラを……?」
そう聞くと、カカシさんが顔をしかめた。
「おそらくそうだとは思うが……今、まだ十分に戦えない状態で捕まるのが一番危ない。
そこで、仲間内で合言葉を決めておこうと思うんだが」
「!」
そっか……そうすれば本人かどうか確認がとれるもんね。
「そこで、だ。葵、何が良い?」
「え……?」
私が決めてしまって良いのかな?
「何でも良い、好きな言葉言えよ」
「うーん……」
そう言われると難しい。何か良い言葉ないかなあ。
「んー、じゃあ私の誕生花は?」
「誕生花?」
「うん。ほら、前に私の家が花屋ってこと言ったでしょ?
だから、お母さんが好きだったんだよね……」
6月27日、私の誕生日。
小さい頃からずっと聞いて育ったから、思い入れがある。
「だから、合言葉は姫百合……は?」
「分かった。じゃあ親しい者にだけ伝えるな」
「ん、お願いします」
「合言葉にしちゃあ、ちょっと可愛すぎねぇか?」
「なっ!どうせシカマルには理解出来ないわよ」
いのだったら分かってくれるかなー。話したいな。
「とにかく、二人とも気を抜くな……葵、何かあったらすぐに言えよ。隠さずに」
見透かすような瞳で言われ、ドキッとしたが、「分かった」と言うとカカシさんは頷いた。
「じゃあ、俺はこれで」
「わざわざありがとう」
シカマルが帰ってしばらく時間が経ち、オムライスを巻きながら再び考える。
いくら陽蓮の力が欲しいからって、どうしてそんな真似するんだろう。顔を知られたくはないっていうのは分からないでもないけど……普通そこまでする?
それとも何か別の理由でもあるのだろうか?
20110330
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