04
やっと絆創膏を貼ってぐったりしていると、シカマルが相変わらず面倒臭さそうに言う。
「(この二人は……)
めんどくせぇが伝言だ、葵。よく聞いとけよ」
その声にやっとシカマルの方に向き直る。
(なんで……?さっき会った時に言えば良かったのに)
しかも、今日初めて会ったかのような口ぶりだ。
やっぱり今日は変なのかな。でも今は……愛想悪いな。そういやさっき庭で話した時は、めんどくせぇっていう一言も聞かなかったような。
何から聞けば良いか分からないので、とりあえずその伝言を聞く。
「最近、お前を狙う輩の中に、お前のよく知る奴に変化しているやつがいるらしい」
(変化?)
待って、とてつもなく嫌な予感がする。
私が心の中で滝のような冷や汗をかいていると、果たしてシカマルは言った。
「お前を油断させて付け入ろうっていう奴らだ……俺や、カカシさんにも変化しているかもしれない」
(ビ……ビンゴ!!)
じゃあ、さっきのあれは……
「だがこの家の敷地内にいる間は安全だ。俺やお前の知り合いしか入れないように、強力な結界がはってあるからな」
「結界?」
それなら、つじつまが合う。なぜあの時にシカマルが、急に門に触れなくなったのか。
結界があったために入れなかったんだ。
(わ……私、危なかった)
どうりで様子がおかしいはずだ。シカマル本人じゃなかったんだから。
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