03
キッチンへと戻り、冷蔵庫の中をチェックする。
ご飯は炊いてある。にんじんに玉ねぎ、ピーマン、しいたけ。
買い物に行けば他の食材も手に入るのだが、一人での外出は修業の時以外は出来るだけ控えるように言われている。
「んー、ベタだけどオムライスにするか……」
包丁とまな板を取り出して野菜をみじん切りにしていく。少しでも向こうの世界で料理覚えて良かったとつくづく思う。
その時玄関の鍵が開く音がした。あれ、もう帰ってきたのか。
ドアが開いたので、野菜を切る動作を止めずに話す。
「おかえりなさい。カカシさん早かったね……ごめん、ご飯は今からでいい?」
「ただいまー。平気だよ、あと……」
「邪魔するぜ、葵。ちょっと久しぶりだな」
「ん、その声はシカマル。うん、久し……
へ?」
シカマル?
「っ!
いったぁ……!」
「ちょっと、何してんの……」
呆れた顔をしたカカシさんが、包丁で切ってしまった私の指を持つ。
そして、そのまま自分の口元に……
「……〜〜!!??」
い、今、ぱくっていった!舐めたよね!?
「応急処置ね」
「んなっ……水道がここにあるのに舐めなくたって……!!」
すかさずザーッと水を流して指も洗う。絆創膏探さないと。
「そうすぐに洗われるとちょっと傷付くんだけど……」
「だってカカシさんがっ」
「……あの、いいスか」
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