04

柔らかいその団子を味わった時に思ったこと。

(懐かしい味……)

やっぱり味は覚えてるものなのかな。

「美味しい!すごい美味しい!」

「葵は此処の団子が好きだったからな」

「……て、アンコさん取っちゃ駄目ですっ!!」

「良いじゃない別に、減るもんじゃないし」

「いやいや確実に減ってるぅ……!」

「おとなげないよ…アンコ」

呆れるカカシさんに、子供みたいに団子を取り合う私たち。
馬鹿な事をしてるだけでも、すごく楽しかった。

本当に、みんな良い人ばっかり。

(……)

「あ、そうだ葵……これから行きたいところあるんだけど、良い?」







「慰霊碑?」

少し風が吹く中、カカシさんの視線の先にある石を見て、髪の毛を片手で押さえながら聞く。

「あぁ。里の英雄達の名が刻まれている……俺の親友の名前も」

それがどういう意味か、分からないわけではない。

「……綺麗な場所だね」

「そうでしょ」

心なしか寂しそうな目をしているカカシさんを見て、ああこの人だって人間なんだなって思った。

誰しも何かしら抱えているものはあって。カカシさんだってその内の一人。

みんな、寂しいんだ。

「あのね……ちょっとだけ、話してもいい?」

「ん?」


……私はずるい人間だと思う。


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