03
甘栗甘という甘味屋に到着し、空いている席に腰を下ろす。
「あれ!二人揃って来るなんて久しぶりじゃないの」
「おばさん、いつものね」
「はいはい」
……よく来てたんだ。
店主らしきおばさんが奥に引っ込んだのを見て、そう思う。
「あれ、カカシじゃない!」
入口から大きな声がした。
「げ……アンコ」
(アンコ……?)
「あら、それにあんたは確か……カカシ班の、えー何だったかしら?」
「あ、三木葵です」
「そうそう、そうだったわね!中忍試験の時に自己紹介したけど、あたしはみたらしアンコよ!」
「は、はい!」
「あなた、いくら途中で怪我したからといって……どうしてまだ……」
「はあ……」
話が読めずに困っていると、カカシさんがアンコさんの団子を指差した。
「ほら、食べないなら俺が食べるよ」
「何言ってんのあんた!?この団子は誰にも渡さないわ!!大体あんた甘いの食べたっけ?」
「あ、団子来た」
「おっ、」
「って、聞きなさいよ!」
「あははっ……」
二人の会話を聞いてたら、自分が悩んでいたことが馬鹿らしくなってきた。
笑いながら私も団子を口に含む。
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