03

『……葵、葵』
「ん……?」

誰かに名前を呼ばれた。ぼうっとオレンジ色か黄色の、光のようなものが見える。あれ、この声って前にも聞いたことがある。

「誰?」

『俺と話せるようになったなら、少し力が戻ったか?』
「……?えっと……」
『俺は陽蓮だ』

陽……蓮?

「陽蓮って、みんなが言ってるあの陽蓮!?」

『そうだ』

「あれ、じゃあここはどこ?」
『お前の中だ』

「……私、風邪で頭おかしくなったのかも」

『違う!たく、もう……俺はお前のチャクラだ!力だ!こう言えば分かるか!?』

「えええ!?わ、分かんない!」

『(……)時間がないから、要点だけ言うぞ。
早く俺の力を使えるようになれ、お前の身が危ない』

「どうして?」

『多くのやつらが俺の力、つまりお前を利用しようとしている。それを防ぐにはお前自身がこのチャクラを扱えるようになるしかない』

「なんかよく分かんないけど……とりあえず強くなったら良いんでしょ?任せて、今修行中だから!」

『だが……』

「大丈夫だってば!私があんたのことも守ってあげる!」

『……悪い、時間だ。さっきの言葉、信じてるからな!』

「……!!」

光が分散した。体中に心地よい温度を感じる。


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