01
体がだるくて目が覚めた。昨日あのまま寝てしまったらしい。しかもなんとなく寒い。
(体のだるさに頭痛、寒気……これはもしや)
ソファでなんか寝るからだ。自分の体力のなさに項垂れていると、玄関のドアが開いた。時計に目をやると、今は朝の5時。
(まさか、今帰ってきたの……!?)
慌てて重い体を起こし玄関まで走ると、そこにある光景に体が凍りついた。
「あれ、葵、もう起きてたの?下で寝ちゃった?」
「カカシさん、血が出て……!」
いつものように微笑むカカシさん。だけど……
腹部にタオルをきつく巻きつけて圧迫しているものの、白いタオルが真っ赤に染まっていることから出血の量が伺える。
「あー、ちょっとヘマしただけ、こんなの日常茶飯事だから」
「だけど……っそうだ!」
「!葵……」
すぐに掌を傷ついた腹部の上に当てると、ぼうっと光が出る。みるみるうちに傷が治っていくのがみてとれた。
「まったく、忍らしくなってきたんだから……」
「はあ、良かった……」
ほっとしたら頭がくらくらしてきた。
「?」
「あの、実はちょっと熱っぽくて……」
「そんなことだろうと思った。ほら、ベッドまで運ぶよ」
「……はい」
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