03
「いのにチョウジ、ヒナタにシノ、リーにネジ、テンテン……ね!」
かなり騒がしかったがどうにか全員の名前を覚える。とは言っても、向こうは全員私のことを知ってるんだからなんだか変な感じ。だけど、こんな風に元気いっぱいで騒がしいみんなと早くも少し仲良くなれた気がする。初対面(?)だけど、みんなが温かい。
「再会を喜んでいるところ悪いが……ガイ班と紅班はこれから任務だな」
「!しまった、ガイ先生を待たせてる!」
「あぁ、もっと話したかったのに……葵、じゃあね!」
「またな、葵」
「早く行け!」
綱手様に一蹴されて慌てて出ていく一向を唖然として眺める。残ったのはアスマ班に、カカシ班のサクラ、それに私。
「すまないな……修行で疲れていたというのに」
「大丈夫です、それより……嬉しかったから」
「葵……」
「ナルトとサスケにも早く会いたいな!」
なんたって、私と同じ班のメンバーだったんだから。
そう言うと、一瞬綱手様の顔が曇ったように見えたけど、それもすぐに終わった。
「シカマル、お前も今日は砂の忍と話があるんじゃなかったのか?」
「あー、そうっす……めんどくせぇ……」
言いながらシカマルが部屋を出ていく。
「あ……綱手様、一瞬!すぐ戻ってきます!」
部屋を出たシカマルの後を慌てて追う。どうしても、言わなきゃいけないことがあった。
「シカマル!」
「!」
良かった、まだ瞬身の術とか使ってない。何とか走って追いついた。
(い、いたた……筋肉痛が)
「この前は……本当に、ごめん。私が、もっと強かったら怪我なんてさせなかったのに」
そう言いながらシカマルの肩にそっと触れた。するとシカマルがびくっと肩を揺らす。
「?ご、ごめん」
「いや……つか、気にすんなって言っただろうが」
「私……みんなを守れるくらい絶対強くなるって決めたから!そのために、今必死で修行してるの。もう怪我なんてさせない!」
「葵……」
「時間とっちゃったよね、行ってきなよ」
「……おう」
「じゃあね!」
そう言って精一杯の笑顔を見せると、シカマルはぶっきらぼうにもう一度「おう」と言って走って行った。
(……相変わらず愛想悪いなあ)
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