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バタン!ドサッ

「い、いたたた……ご、ごめんなさ、えっとお呼びでしょうか、綱手様……?」

「葵……えらいぼろぼろだな」

カカシさんとの修行の後、綱手様に呼ばれているということだったためここまで来たというわけだ。ところが部屋まで入った途端に床に崩れ落ちてしまった。

「カカシさんってあそこまで容赦ないんですね……私もう、何回死にかけたことか」

本格的に修行を始めてから早二週間ほどが経った。私がこの世界に来てから一カ月も過ぎている。時間がある時にカカシさんにしごかれ、彼が任務の時は一人で体力づくりやら修行やらをして。正直言って私の体は限界に近い、いや、限界を超えているかもしれない。体中の筋肉が悲鳴を上げている。

「ははは!それは強くなってほしいというお前の愛故だな!」

「愛!?へ、変な事言わないで下さいよ」

なにやらにやにやしている綱手様にそっぽを向いて、顔の熱を冷ます。

ちょうどドアの方を向いて座りこんでいると、そのドアが慌ただしく開いた。とたんにどやどやと入って来る人、人、人。どうやら全員が一目散に綱手様に向かっているようで、下にいる私に目もくれずに走っていく。

(何!?し、しかも……)

ふ、踏まれてる気がするんですけど!飛び越えられてる気もする!痛い痛い痛い!

「葵さんが帰ってきてるって!?しかも記憶がない!?どこなんですか!」

「それならば、早く会わなくてはならない。なぜなら、忘れていたとしても仲間だからだ」

「サクラはもう会ったんですって!?もう、抜け駆けして……!!」

「葵なら、今お前たちが踏み倒していったぞ」


「「……え」」


綱手様の一声に、全員が顔を青くしてゆっくりと振り返った。


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