05
「ま、マジかよ!?じゃあ何にも覚えてないのか!?」
「う、うん……なんか、ごめん」
「気にすんなって!また今から仲良くなったら良いだけだろ?」
「キバ……ありがとう」
私って、本当に良い友達いっぱいいるんだなあ……としみじみ感動してしまった。
「それにしてもシカマル、ここまで来ておきながら、なんで家に入らないの?」
そう。ここは私の家、基カカシさんの家。なのに私たちは庭に座りながら話をしていた。今日は天気が良いからぽかぽかしてて良いけど。赤丸も気持ちよさそうに丸まっている。
「あー……お前はその方が回復が早いんだよ」
「!そうだ、陽蓮とか陽炎って何!?」
「それはだなあ……」
しばらく迷っていたシカマルだったけど、観念したように口を開いた。
「まあ言えば、お前の中のチャクラの名前みたいなもんだ」
「じゃあ、さっきの人達って……」
そう言うとシカマルとキバが嫌そうに顔を顰めた。
「あれは、チャクラや忍を使った実験を行うやつらの集団だ。お前のチャクラは普通のやつとはちょっと違って……それを欲しがってるんだ」
(全然知らなかった……)
じゃあ、もしさっきあのままだったら、変な実験に付き合わされていたかもしれないってこと?
「もうこうなったらこれも言うけど、葵、あいつらだけじゃない。色んなやつらがお前の力を欲している」
「……!」
「俺達も、もちろんお前のことを守ってやる。だが……気をつけろ」
どうしてこんなに大事なことを知らなかったんだろう。真っ先に知っていなきゃいけないはずなのに。
「多分、お前が戻ってきたことにまだ気付いていないとみんな思ってたんじゃねえか?もう少し時間が経っていたら、カカシさんか五代目あたりが話してたと思うぜ。
実際、俺でもそうだ……正直今日のあれは心臓に悪かった」
(……)
「!ッシカマル、そこやられたんじゃねーのか!?」
「え!?」
突然キバが声を上げた。確かに、シカマルがずっと手を当てていた肩から血が滲んでいた。よく見ると額には汗が浮かんでいる。
「こんなのどうってことないっ……ただ、一人速い奴がいて、対処し切れなかった俺自身の責任だ」
罰が悪そうにしているシカマルを見て、胸の中で何かがはじけた。
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