03
「っ何だ!!体が動かねぇ」
その声に振り返ると、そこにいた男が不自然な格好のまま停止していた。
「影真似の術、成功……」
(これが、シカマルの能力か)
「葵!今のうちに誰か上忍を呼んで来い!誰でも良い!」
シカマルが私に向かって叫んだ。
「!だけどっ……数が多すぎる、シカマルだけじゃ……っ!?」
「っ!まだいたのか……!!」
突然後ろから別の男に羽交い絞めにされ、動くことが出来なくなる。すると背中に何か固いものを当てられた。
「なんだか様子が変だが……このチャクラ、陽炎のものに違いない」
(だから、陽蓮とか陽炎って何なのよ!?)
そう思っていると、カチっという音がする。
「―――!!!」
(何!?力が、抜けて……まさか、)
「少し大人しくしてもらうよ。大丈夫、チャクラぎりぎりまで吸い取るけど死なせはしないから」
「っあぁ……!!」
全身から力が抜ける。
咄嗟にクナイに手をやるが、それ以上手が動かなかった。動けないんじゃない、動こうとしていないんだ。
(こんな時に……!!)
どうしよう、このままじゃ。そう思った時だった。
「ワンワンワン!!」
「「!」」
大きな白い犬がこっちに向かって走って……いや、爆走してくる。何、あれ?
「おい、赤丸止まれ!そこに人が……って、シカマル!?それに、葵じゃねえか!!」
「キバ!こいつら頼む!」
「なんか分かんねぇけど、了解した!」
次の瞬間、犬がすごい勢いで男たちに向かって突進していく。そのあまりに迫力に男たちは蹴散らされていった。
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