02
「誰かいるから見てみたらお前だったからよ」
「そ……そっか。
私一旦家帰ろっかな」
「じゃあ送ってく。任務終わったし」
「え、いいよ」
「いいから黙って送られとけよ」
「……」
目をぱちぱちさせながらシカマルをじっと見つめたら、「な、なんだよ」と言われた。
「いや、彼氏がいたらこんな感じなのかなあって」
「か!?ちょ、お前、冗談でもそんなこと言うのやめろ。ほら、カ……」
(か?)
何か言いかけたシカマルがはっと口をつぐんだ。
「……いや。行くぞ」
結局シカマルの言葉に甘えて送ってもらうことにした。本当は瞬身(この間覚えた)の術で帰ろうと思ってたけど、体力を使って少し疲れてしまったので二人でてくてく歩く。
「お前、修行してたんだな。前は微量だったチャクラ、大きくなったんじゃねえの?」
「そうかな……自分じゃ分からないけど。
ねえ、手裏剣ってどうやったら標的に命中するの?私、苦手なんだけど……」
そう言うと何故か結構笑われた。(地味にムカついた)
「いや、相変わらずだなあと思ってよ……昔もお前、手裏剣の扱いには苦労してたぜ」
「うそー!そういうとこは変わってないんだ……」
「まあ練習あるのみだな。苦手なんだし仕方ないだろ」
「……そうだけど。あ、あとさ、私に足りないものって……何だと「シッ!」
突然シカマルが人差し指を口に当て、もう片方の腕で私を止めた。
(何……?)
さっきまでの雰囲気と一変。シカマルが注意深く辺りを見回す。周りには木が多く、ざわざわと風に揺られていた。
今なら私でも分かる。じっとこちらの様子を伺っている、複数の気配に。
「誰だ……隠れてないで出てこい」
「!」
次の瞬間、自分の背後に人が降りてきた気配を感じた。咄嗟に足で後ろに蹴り上げて距離を取る。振り返るとそこにいたのは、黒い装束を着た複数の男。木の葉の忍かと思ったけど、額当てをつけていないから何者か分からない。
「っ……いきなりその挨拶はないんじゃないのか、陽蓮」
「は……?ヨウレン?」
今の言葉はおそらく私に向けられたものだろう。だけど、今の耳慣れない言葉は何だろう。しかも私のこと呼んだと思うんだけど。
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