03
「んー、やっぱり家は落ち着く!」
「そりゃ良かった」
「カカシさん!帰ってたんだ」
「ついさっきね」
カカシさんはあの後軽い任務があったらしく、あれからは今初めて顔を合わせたわけだ。
「あのね、今日サクラと一時間くらいずっと喋ってたの!」
「良かったな。楽しかった?」
「ん、すっごく!あ…た、楽しかった、です」
言い直すと、カカシさんに笑われた。
「別に無理に敬語使わなくて良いんだーよ。今の、自然体で良かったし」
顔を覗き込まれ、ニコっと笑われた。
「……!!」
その距離に思わず顔が赤くなり、目線を逸らした。
「あれ?照れてる?」
にやにやしながら言われ、ますます恥ずかしくなった。
「うっうるさい…!!」
「ま、いいけどネ。
と、そんなことより……今日、本当に大丈夫だった?イタチに何もされてない?」
「う……うん、何も」
一瞬目が泳いだのをカカシは見逃さなかった。
「変なこと言われてない?」
「言われてないよ」
「嘘っぽい」
「本当!わっ……」
ソファにすとんと座らされて、肩をぐっと抱かれた。心臓がどきどき、高鳴る。
(何これ、なんでこんなに緊張してんだろ……別に私は、そんな、わけないのに)
「ねえ、葵に何かあったら、俺の身がもたない」
「カ、カカシさん……?」
いつになく低い声の彼に緊張する。
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