05

「!?
うちは、イタチ……!?それに葵、目が覚めて……」

「……じゃあな」

「えっ……」

すたすたと窓辺へ歩いて行くイタチにその女の子が叫んだ。

「待ちなさいよ!!あんたっ……葵や、サスケ君に何をするつもりなのよ…!!」

(サスケ君?)

イタチさんは後ろを向いたまま足を止めた。

「何を企んでるのか知らないけどっ……私やナルトが黙っちゃいな「……それ以上何も言うな」

「!」

振り返ったイタチさんの眼に浮かび上がった模様は、さっきとまた違っていて。本能的に危ない、と感じた。私は体が動くようになったことに気付いて、その女の子に庇うように飛び付いた。その反動でドアに体がぶつかる。

「!葵……?」

「ごめんっ……けど、あの目を見ちゃ駄目」

「葵!サクラ!」

「!」

そこに新たに現れたのはカカシさん。彼も目を見開く。

「何!?うちはイタチだと……!?一体どうやって……」

「葵」

気が付くとイタチは窓辺の所に立っていた。

「俺は行く。さっきの話……分かったな」

「あ!待って……!」

思わず立ち上がって追い掛けようとしたが、カカシに強く体を押さえられてそれは適わなかった。

「葵……大丈夫か!?何もされていないだろうな。サクラも……」

「私は平気だけど……」

(行っちゃった……)



彼が消えた窓を見ながら、自分の心臓がどくどくと音を立てているのを、ただただ感じていた。うちはイタチの言葉が頭から離れない。


「知りたかったら……木の葉の外れにある森まで来い」


「いつでも……待っている」


20110308


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