02

(……)

目の前に広がる天井に見覚えがあった。初めに目を覚ました時も木の葉病院にいたっけ……

夢を見た。小さい子が泣いている夢。
何となく分かった。あそこで泣いていたのは、きっと幼い頃の私。

「両親がいなかったの……?」

今の私には、元の世界に最愛の家族がいるのに。
ここでの私は――?


枕元にメモが置いてある。カサリと広げた。

『目が覚めたら、そこのボタン押して呼ぶこと。

あとお前は、あの修業に合格だよ。最後のあのチャクラで俺の服の一部が破れたからな…たいしたもんだよ。元々チャクラを引き出すためにしたようなものだったから。
あとはコントロール出来るようにするだけ、ね』

(な……)

そう、だったんだ。合格と聞いて心から安心した。だってあの時のカカシさんは恐すぎた。
まったく、何て無茶苦茶な方法なんだ。死ぬかと思った。死ぬ気で来いとは言われたけど。


そこでさっきの夢に考えを移す。

(あの夢に出て来たのは……うちはイタチ、に違いないよね)


「いつか、迎えに来てやるから……強くなれ、葵」

微かに聞こえた声だったが、よく覚えている。そこで沸いて来る一つの疑問。

「私が強くなろうとしたのは……うちはイタチのためだったの?」


考えても分からない。とりあえず目覚めたから呼ばなきゃ、と思いナースコールらしきものに手を伸ばす。が、その腕を突然捕まれた。咄嗟に顔を上げた時に見えた顔に、心臓が止まるかと思った。

「久しぶりだな……葵」

「!!」

(うちは、イタチ……!?)





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