07
辺りが暗い中、たくさんの人達が血を流して倒れている。そして、その中心で立っている男の人。赤い眼が暗闇の中で妖しく光っていた。
(この人って……最初教室に入ってきた……)
「どうして……」
「すまないな……葵」
「やだ、行かないで!」
「ねえ、待ってってば……」
「嫌っ……行かないで、イタチ!」
(!)
自分の声にはっと我に返った。
「葵、しっかりしろ!」
「はぁっ…はあ……」
鼓動が速い。気が付けばカカシさんが私の肩を掴んでいた。
「落ち着いて、ゆっくり息を吸って……そう」
「ねえ、イタチって誰?私をさらおうとした人、だよね…?」
「!!」
「夜、いっぱい人が倒れてた……あれは、っ!?い、た……!!」
(痛いっ……頭が割れそうっ……!!)
その時、自分の体から眩しいほどの光が溢れ出て来た。
「葵っ……!」
あまりの痛みに意識が遠退いていく中、確かに聞こえた声。
「いつか、迎えに来てやるから……強くなれ、葵」
20110307
← →戻る