03

「……朝からあんなに本気で押すことないでしょ。俺なんかした?」

朝食の席で、いたた、と腰をさすりながら言うカカシさんに私は冷たい目を向けた。
本当はお世話になってるんだから、ご飯くらい作ろうと思ってたけど気が失せた。せっかく昨日イメージアップしたのに。

「覚えてないんですか」

「……スミマセン」

寝ぼけてたんなら仕方ないけど、あれは心臓に悪かった。
まあ、昨日のことに免じて許してあげよう。

「あー、それで……よく眠れた?」

「はい……あ、けど夢を見たような」

どんな夢だったっけ?思い出せないや、もやもやする。

しばらく考え込んでいた時、ゴトっと重い物が落ちたような鈍い音がして、我に返った。見れば、私のためにジャム缶を取ろうとしたカカシさんの手から抜けていったらしい。

「っと……」

平静を装ったカカシさんだけど、一瞬顔をしかめたのを私は見逃さなかった。手か肘……?

「怪我、してる」

「や、これは」

「見せて下さい」

有無を言わさず腕を掴んで袖を捲る。と、肘のところに痛々しい傷痕が。しかも結構新しい。

(!もしかして、あの時の)

あっちの世界から連れて来られる直前に、あの鮫みたいな人からの攻撃を受けていた気がする。

「もう痛くなーいよ。綱手様にも治療してもらったしネ」

「痛いんでしょっ……」

怪我させてたんだ。
私は半ば無意識にその部位に掌を翳していた。


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