02

はた、と気が付くと視界は銀色に染まっていた。

「ん……?」

しばらくしてそれがカカシさんの髪の毛ということが分かり、同時に昨日のことを思い出して恥ずかしくなった。

しかも、なんか……うん、近いし。ていうかむしろ抱きしめられちゃってるよ、これ。私は良い抱きまくら状態じゃないか。
何がやばいかって、私今……ほら、寝る時は付けない派だから。あんまり密着されると、ちょっと……

「……カカシさん?」

小さく呼び掛けてみるけど、反応なし。やっぱりぐっすり眠ってるよね。まぁ、抜けようと思えば抜け出せるか……?

そっと腕の中から抜けだそうと試みてみる。が、意外とその腕は力強くて無理だった。
もぞもぞと動いていると、カカシさんが少し反応した。あ、起きたかな。

むぎゅ

(……へ)

なんか、さっきより……

「ん〜…葵ー……」

「!」

名前を呼ばれて様子を見るが、どうやら半分寝ぼけているらしい。困っていると、再びごそごそと動いていもう一声。

「……ん、やーらかい」

「……!!」

カカシさんは、私の胸元に顔を埋めていた。

胸、に……


(……い、)


「いやあああああ!!!」


気付けばカカシさんはベッドの下に転がっていた。寝起きで受け身を取れずにカカシさんはうぐお!?と奇声を発していた。


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