05

「シカマル……私とカカシさんは、」

そこまで言った時にがちゃっとドアが開いた。
二人同時に振り向くと、今まさに話題の中にいたカカシさんの姿が。

「用はすんだんスか?」

「あぁ、ありがとね。じゃあそろそろお暇しますか、葵」
「あ、はい」

一瞬何で来たんだろうって思ったけど、もしかしてたら私が里の人と話す機会をくれたのかもしれない。


シカマルが見送ってくれると言って、一緒に図書館の出口まで行く。その時に前を歩いていた二人がこんな会話をしていたとも知らずに。

「どうせイチャパラでも読んでたんスよね」

「はは、ばれた?」

「それしかないですから。それに、わざわざ気配も消さずに立ち聞きしてたことも」

「……」

(はあ……めんどくせぇ)

葵が戻ってきたことには、かなり驚いたがすごく嬉しかった。その分戸惑いも多かったが、一番はこの人だろう。俺でもここまで混乱しているというのに。葵じゃなかったらあんな話信じない。

(『カカシさん』なんてあいつが呼ぶとはな)

まあ、めんどくせぇけど様子くらいは見ていてやるか、と思ったシカマルだった。


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