03

葵を綱手様のところへ連れ帰った後、彼女は丸一日眠っていた。体に異常はないらしいので、おそらく心へのショックからだろう。無理もない、彼女はあの世界でついこの間まで平和に暮らしていたのだから。


「うぐ!?」


帰って早々、綱手様に思いっきりアッパーを食らわせられた。

「お前は人の話も聞かずに飛び出して!まったく、無茶するからこんな怪我をするんだ」

ぶつぶつ言いながらも医療忍術であの時に受けた傷を治して下さった。(正直今のアッパーの方が痛かったなんて口が裂けても言えない)

「時間がなかったものですから……ですが確かに彼女は連れて帰ってきましたよ」

「……ああ」

「それに、やはり……こちらでの記憶は一切ありません、おそらく」

「だろうな……しかし、木の葉に帰ってきた今の方が記憶を取り戻す可能性は高い。
しかし、それが吉と出るか凶と出るか……」

「……」

早く元の姿に戻って欲しい。強くそう願うが、それはまた同時に彼女を苦しめてしまうのではないかと思う。

「もう少し落ち着いたら、自分の身を守れるように俺が忍術を教えます。まあ、体が覚えているかもしれませんが」

「頼んだぞ、カカシ」



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