02

暁が彼女の情報を得たらしい、すぐに行動を開始するらしい、という確かな情報が木の葉の一部の者に入ってきてからは早かった。綱手様の止める声も聞かずにすぐに里を飛び出して、彼女が消えたあの場所へ。するとそこには微かに残る独特な匂いと術の痕跡。くそ、遅かったかと舌打ちしながらもある印を組んで眩くも懐かしい光の中に飛び込んだ。


暁はきっと尾獣のチャクラを使ったに違いない、こっちはあの時のチャクラを保存しておいて助かったと思いながら光がおさまるのを待った。見えてきたのは何やら大きな建物。木の葉でいうアカデミーに少し似ているかもしれない。数ある窓のうちの一つから強烈なチャクラを感じたため、俺は中へと飛び込んだ。


そこはやはり、アカデミーの教室のようなものだった。が、次に見えたのはあのうちはイタチの前にしゃがみこんでいる懐かしい彼女の姿。

(……見つけた!)

とにかく相手に時間を作らせないために、俺は葵を抱える。一瞬目を見開いた彼女は、やっぱりというか俺のことは分からないらしく少しの期待が静かに打ち砕かれた。だが感傷に浸っている暇はない。

(何があっても、絶対に連れて帰る)

心にずっと誓っていたこと。相手の攻撃を食らい、少しチャクラを持って行かれた気がしたが気にせずに元の光の場所へと飛び込んだ。


(間に合え……!)


暁は不意をつかれたに違いない、まさかこんなにすぐに俺が追ってくるとは思っていなかったのだろう。


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