02
「カカシ、やっぱりここに……葵!目が覚めたのか!」
入ってきたのは、すっごく胸が大きくて綺麗な女の人。
「サクラとの修業は良いのですか?」
「あぁ、大丈夫だ……それより葵の状態が今は大事だ」
「葵、この人は綱手様だよ。木の葉の五代目火影……ていうのは、里で一番偉い人のことね」
「綱手…さま?」
「!その様子、やはり……」
「そういうことです」
なんとかはたけカカシさんの言う説明にはついていけたとするけど、後の二人の会話の意味が分からない。しかも、何でそんな偉い人が私に会いに来る
んだ。
やはり?そういうこと?この人達は一体私の何を知ってるっていうの。
「あの……どうして、私の事を知ってるんですか。
それに、私明後日から期末テストが始まるんです。勉強しないとやばいんで、帰っても良いですか」
少し失礼な物言いだけど、いい加減家に帰らないと。連絡もしていない。
すると、綱手様が少し苦い顔をして口を開いた。
「あのな、葵。お前はあの時暁という組織の二人にさらわれかけた。あの場所に戻れば、奴らにもすぐ居場所が分かってしまう、非常に危険だ。」
「……私が?」
人の恨みを買うようなことはしていないはず、なんだけど……なんか怖くなってきた。
「それは……私が違う世界から来たっていうのと関係あるんですか」
「正確に言うと、お前は戻って来た。
葵、お前はれっきとした木の葉の忍なのだよ」
「忍……って忍者のこと?
そんなこといきなり言われたって……!!
第一、私はこのはたけカカシさんみたいなすごい技使えないし、ただの一般人で……」
言いながら、私が違う世界に来たっていうのは嘘じゃないのかもしれないと思えてきた。
だって、現実にしてはあまりに出来上がりすぎているし、窓から見える景色は日本のどこからも見たことがない。
だけど、私が忍なんて、それだけは有り得るわけがない。
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