03

「つ、綱手様…!」
「いいのだ、シズネ!」

頬がじんじんと痛む。その理由は、部屋に入るなり綱手様に容赦なく顔をグーで殴られたからだった。むしろ心の方が痛んで、悔しい思いでたまらない自分には良いパンチだと思った。

「なんのために、お前に葵を預けたか分かっているのか!?」

「本当に…申し訳ありません」

合わせる顔がないとはこのことだと思った。悔しい。悔しい。
ふっと五代目が肩の力を抜いた。その顔は疲れ切っているように見える。


「私も鬼ではないから…あまりこんな事は言いたくもないし、したくもないのだ」

さっきまでの迫力のある声から一変して、弱々しい声になった。

「知っている――本当は誰よりお前が……悔いているということも」

「五代目……」

「これがカカシ班への任務だ…うちはサスケ並びに三木葵の奪還」

「班?」

「ああ」


五代目の瞳に再び強い光が宿った。




「ナルトが、帰ってきた」




これかは進む道は、光に照らされるのかそれとも闇に呑まれるか――

何かが、変わろうとしている。




END

20110511


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