04
そして、同時にずっと頭の中を占めている人物。
(どうすれば、良い――?)
ううん、迷っちゃいけない……することは一つしかない。
この里を、出る。それだけ。
「イタチ……連れて行って」
「そのつもりだ」
「待ち、やがれ……行くな、葵……」
視界の端に、傷だらけの体を庇いながら立ち上がるシカマルの姿が映る。
それを見て、すかさず印を組み、チャクラを放った。
「……!!目眩まし…!!本当に葵なんだな……っ」
眩しすぎる光を当てて、視界を遮っている間にイタチの腕を引っ張りその場から離れる。
しかし、少し進んだ時にイタチが立ち止まった。
「里を出る前に、一つ確認しなければいけないことがある」
「……何?」
「はたけカカシ」
「っ!?その名前を出してどうするつもり……?」
出来ればもう二度と聞きたくなかった名前。
「動揺しているな」
「っ……」
その言葉に唇を噛む。
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