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「はあっはあ……」
倒れて立ち上がれない二人を呆然と見つめる。
「どうやらこいつらが、たまたま上忍達よりも一足先に到着した…といったところだな」
赤丸はさっきキバが飛ばされたときに一緒に巻き込まれ、伸びていた。
「今の騒ぎで気づかれたかもしれない……始めるぞ」
「……分かった」
今度こそ、まっすぐにうちはイタチと向き合う。
倒れた彼らからは、何も考えずに済むように目を逸らした。
もう覚悟は決まってる。いまさら後戻りなんて出来ない。心臓が激しく高鳴るのを聞きながら静かに立った。
赤い目を見つめると、すうっと暗闇に体が吸い込まれるような感覚がした。
(ぐっ……体が動かねえ……!!)
「畜生っ……!!葵ーーーっ!!!」
声は、届かない。
20110426
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