01
道順なんてほとんど覚えていなかったが、とにかく人気のない方へ走り続けたらやっと森が見えてきた。
「はあっはあ……ここは……」
昨日最初に風で飛ばされて、連れて来られた場所だ。
だけど、倒れていた人の姿は一人も見えない。
(やっぱり)
あの人達が意識を取り戻して、再び私を追うのは時間の問題だと思っていた。
だから、あまり里の目立つ場所にはいたくなかったんだ。周りの人まで巻き込んでしまう。
――うちはイタチに会ったのは、このすぐ近く。
あまり時間がない。カカシさん達も、私を捜しているだろうから。
「来たか」
「!いつの間に……」
いきなり目の前に現れたうちはイタチに驚く。が、そんなことは後だ。
「時間がないの……みんなが私を追ってくる」
「そう焦らなくとも良い…お前に真実を教えるだけでなく、記憶を完全に戻すことも出来る。
写輪眼があればな」
「え……!」
写輪眼があればってことは……
「覚悟は決めてきたな?」
「……大丈夫。お願い」
彼の目が、薄暗くても光る赤色に変わる。
ワンワンワン!
「「!?」」
大きな犬が私とうちはイタチの間に割り込んできた。
「赤丸……!?てことは、まさか……」
「見つけた!こっちだシカマル!」
「……!!」
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